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冬の寒さと山の湧水が生み出す銘酒
南に剣山山系、北に阿讃山脈がそびえる盆地の三好市池田町は、実は隠れた酒どころ。冬場の平均気温2℃という厳しい自然環境と、剣山系から湧き出るおいしい水、そして地元の米が、味わい深い日本酒を醸し出します。
江戸時代から酒造が始まったと伝えられ、明治から大正にかけては20蔵以上の酒造所がありました。
現在は3つの日本酒の蔵元があり、職人が守り伝えた技術を駆使して、それぞれ個性豊かなお酒を作り出しています。
合名会社中和商店「今小町」
1802年に刻み煙草製造業として創業し、1926年に三代目・中村和右衛門 が酒造業を始めました。
徳島県下で唯一、杜氏制度を守っている酒蔵です。
毎年11月になると、兵庫県但馬の杜氏・上田穰はじめ数人の蔵人が蔵入し、伝統の技を生かして醸造を行います。
「今小町」は全国新酒鑑評会で金賞を何度も受賞した逸品です。
三芳菊酒造株式会社「三芳菊」(みよしぎく)
三芳菊の名前の由来は「其香芳しく其の色淡く其の味美しきを以て三芳菊と名付ける」とのこと。
吉野川の上流、松尾川にある景峡竜ヶ岳の湧き水と、山田錦などの県産米を使ってじっくりと仕込んでいます。
五代目当主兼杜氏の間宮氏による多品種小ロットの酒造りで味の種類も多く、多彩なラベルのデザインも人気です。
矢川酒造株式会社「笹緑」(ささみどり)
明治時代から酒造を始めた、老舗の酒蔵です。
銘柄の「笹緑」は、裏山に笹が生い茂っていたことと、お酒を表す「ササ」の語呂合わせだそう。
「飲み飽きない酒」をモットーとした、淡麗辛口でさっぱりした雑味のないお酒です。