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千年の歴史を伝える天空の山里
剣山の山間、尾根に近い山の高地斜面に家と畑が点在するいくつもの集落。
それらは「そらの郷」と呼ばれています。
人々は自然の恵みに感謝し、隣同士で助け合いながら山の暮らしを千年以上続けてきました。
地域には平家落人伝説も残ります。
東祖谷・落合集落は、東祖谷のほぼ中央、祖谷川と落合川の合流点から山の斜面にそって広がる集落です。
急傾斜地のため、集落内の高低差はなんと約390m!
この厳しい環境では、段々畑が作れないので、人々は傾斜地のまま耕す急傾斜地農法を長く伝えてきました。
秋に収穫したススキ(茅)を束ねて円錐形に積み上げた「コエグロ」は、畑の畝の間に敷きつめて土壌の流出を防いだり、春には肥料として使ったりして、自然と共存する循環農法のシンボルとも言えるもので、2018年3月9日には世界農業遺産(GIAHS)の認定を受けました。
江戸中期から昭和初期に建てられた藁葺き屋根の民家や、一つ一つ積み上げた石垣が囲む畑などの光景は、なつかしい山村の原風景を作り出しています。
平成17年には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
旧小采(こうね)家住宅は、天保年間(1830~44年)に建てられた民家で、祖谷地方に発達した構法で建てられた小規模民家の特徴をよく表しているとして、国の重要文化財に指定されています。
出典:景観動画
ニワとオモテからなる「一間取」の住宅で、土壁を保護するためのヒシャギ竹と呼ばれる割竹で外壁の表面を覆い、正面中央に前便所があるなどの特徴があります。
昭和58年8月に、旧東祖谷山村栗枝渡集落から現在の東祖谷菅生集落へ移築復原されました。
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